続・小説の書き出しのコツ。読者に抱かせたくない3つの疑問


読者の皆さん、こんにちは。バーチャルブロガーのコトハです!

以前、小説の冒頭の書き方に関する記事を出したことがありました。今でもちょくちょく読まれています。やはり小説の中で最も肝心と言っても過言ではないパートですから、冒頭では皆さん苦労するんだろうなと察せられます。

どうやらこのテーマはまだ需要がありそうなので、もう一本記事を書いてみることにしました。

前回と併せて読めば書き出しの理論は完璧です!

1.前回のおさらい:よい冒頭とは?

前回発表した記事は、優れた冒頭が備えている要件を語ったものでした。

  1. 物語の始点以降からスタートしている
  2. 人物が登場している
  3. ストーリーを通じて解決されるべき課題が提示されている
  4. 舞台設定が察せられる
  5. 作風が伝わる

この5つを備えていればよいスタートを切ったと言える、というお話でしたよね。

それぞれについて詳しく知りたい場合は下のリンクから記事を参照してみてください。きっと参考になるはずです。

小説の書き出しのコツ。よい冒頭が備える5つの要件

読者の興味を作品内容へと誘導してあげるための導線を引く、といったイメージでプロットを切ると成功しやすいでしょう。

2.逆のアプローチ:冒頭で犯すべきではないミス

前回挙げた「優れた冒頭の5要件」は、読者に「知りたい」と思ってもらうための方法論であったと言えます。これからどうなるのか知りたい、この人物について知りたい、この世界について知りたい……と感じてもらうために引っかかりどころを用意するわけです。

しかし実のところ、やり方が悪いと読者は悪い引っかかり方をしてしまいます。よくないタイプの疑問を抱いてしまうんですね。そうなるともはや興味を惹くどころではなく、「わからん、読むのやめた」と見切りをつけられてしまうのです。

よくないタイプの疑問としてはどういったものが考えられるでしょうか。

……というわけで今回は、冒頭で読者に抱かせてはいけない疑問と、その対策法について解説させていただきます。

よい冒頭を書くためには、悪い冒頭を知ることも有効です。「これはこういう理由でダメ」ということがわかっていれば、避けて通れますからね。

3.抱かせたくない疑問の3類型

冒頭で与えてはいけないタイプの疑問には、大きく分けて人物造形にまつわる疑問基本設定にまつわる疑問ストーリーにまつわる疑問の3つがあります。

どういうことなのか、一つ一つ順番に見ていきましょう。

3-1.このキャラクターはどういう人物なの?

まずは人物造形にまつわる疑問です。

キャラクターは感情移入の重要な入口ですから(ここで言う感情移入とは単に共感するということだけではなく、人物の五感や思考を通して作品を解釈・理解することも含みます)、ここに吸引力がないと読者を引きつけることは叶いません。

どこの誰だかさっぱりわからない人間に吸引力をもたせることは、不可能とは言わないまでも、非常に困難であることは間違いありません。

名前や特徴、どんな仕事をしているのか、他の登場人物とはどんな関係なのか……プロフィールに関する情報をいくつか開示して、できるだけ速やかに「顔も名前もわからない誰かさん」という状態を卒業させてあげてください。

3-2.舞台や時代背景はどうなっているの?

人物たちがどんな舞台で行動しているのか開示するようにしてください。たとえば屋内で会話をしているとして、具体的にどこなのかという言及がなかったら、寝室なのかリビングなのか、はたまたカフェでお茶でもしばいているのか、読者はどんな光景を想像すればいいのか迷ってしまいますよね。

いったい何が起きているんだかわからない、というタイプの疑問はストレスの要因になりこそすれ、興味を喚起することはありません。よくない疑問の典型例と言えるでしょう。

また歴史小説などでは、どの時代の物語なのか開示するに越したことはありません。理由は舞台のときと一緒。その情報があったほうが読者にとって優しいからです。

3-3.これは何をどうする物語なの?

物語を通して最終的に解決されるべき課題が何なのかがそもそもわからない、という状態ですね。

書き出しの時点で主人公が明確に目標を見据えている必要は必ずしもないのですが(冒頭部分では何の変哲もない一般人に過ぎない主人公だって多いですしね)、読者にまで目標が見えないのはうまくありません。何をどうする物語なのかが示されないというのは、読者にとっては、地図も方位磁針も持たされずに大海原に放り出されるようなものです

ゴールが見えてこそドラマが生まれ、読者の興味を喚起することができるのです。

伏せるメリットのない情報は隠さない、という意識が大切ですね。

4.読者の想像できる範囲を絞ってあげよう

情報を何も持たない状態でまったく自由に想像するのは難しいものです。したがって小説の書き手には、情報開示の内容とタイミングを巧みに調整して、読者の想像の方向性を誘導してあげることが求められるのです。

読者の手持ちの情報が最も少ない冒頭部分は、特に入念によけいな道を塞がなければなりません。

  1. 登場人物を「どこかの誰か」からランクアップさせる
  2. 舞台や時代背景を描写する
  3. 物語のゴールを示す

これらのチェックポイントをクリアできれば、あなたの書く小説はより効率よく読者を惹きつけることができるでしょう。

基本的な情報を初めに出して、読者のために「あなたの小説を読むべき理由」を作ってあげてください。


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